
                    <ガンジス川から見た朝日に照らされるガート(沐浴場)> 
                  
                  *生と死*  
                    
                    
                   インド中から人々はこの町を目指してやって来る
                    この町で死ぬことを目的に来る人もいる
                    ヒンドゥー教の聖地:バラナシ
                  ガンジス川沿いに、ガートと呼ばれる沐浴場が何百と並び、
                    日の出前から人々が、沐浴し祈りを捧げる。
                    火葬場のガートでは、次々に遺体が運び込まれ、
                    灰がガンジス川に流されてゆく。
                  町は無数の細い路地が入り組み、
                    神聖な生き物である牛がウロウロし、
                    牛のウンコや犬の死体を飛び越えながら進む。
                  1分歩いただけで、3人ぐらい客引きから声がかかり、
                    ありとあらゆる病気を抱えているような物乞いが目に入る。
                  生と死が混じりあった世界の底のような町だが、
                    悲壮感はまったくなく、
                    ただただ人々のパワーに圧倒される。
                  ガンジス川の対岸から朝日が昇ったとき、
                    あぁ、死んでこの川に流されたら幸せだな、
                    と心の底から思った。
                  死すら受け入れてくれるこの町は
                    世界一幸せな町かもしれない。